2016年5月22日日曜日

[ケースファイル]変速が上手く入らない(ドライブトレインの汚れ)

変速が決まらない…は「汚れ」が原因かも?

先日、オーバーホールを承った車体の内、1台を清掃していて気になる事がありました。上の写真をご覧ください。スプロケットに付いた黒い泥のような汚れがついてます。スプロケットの歯の下側と歯と歯の間にこの汚れがびっしりと…。
普段、オーバーホールで使用する主な清掃用具たち。大体この4種類を使って、汚れを掻きだすように落とします。(場所によっては写真に掲載していない特殊な形状をしたブラシを使用する事も)

このブラシたちは頑固な汚れ、そして強力な溶剤にも負けない「毛の固さ」があるんですが、今回はこのブラシをもってしてもまったく汚れが落ちません…。 

汚れは見た目だけではなく、性能を低下させます。

フロントチェーンリングの裏側。変速するポイントは決まっています。

先ほどの汚れ、実はヒジョーに困ったことになっていました。汚れているだけならまだしも、ある重要な場所にこびりついていたせいで、変速性能をも低下させてしまっていたのです。
変速ポイントを拡大してみました。スパイクピンのようなものがアウターリングの裏側にあります。そして、それを補助するように、歯の表面にも研削加工がされているのがお分かりになるでしょうか。この溝こそが滑らかに変速をさせる秘訣なんです!…が!今回苦戦したチェーンリングにはこの部分が汚れによって完全に埋まっていて、機能していませんでした…。
(その後、最終手段ともいえる方法できっちりと汚れは落としてお返ししました)

性能を低下させる汚れを付着させないようにするには

今回のような変速機周りに付着した困った汚れは「チェーンオイル」に原因があります。というのも皆さまチェーンオイルの使い方を誤解なさっている方が多いのです。一つはチェーンオイルそのもののチョイスが間違っているパターン。砂が多い海岸線をメインに走られる方が、雨にも耐える粘度を備えるウェットルブを使うと、砂粒を巻き込んで固く締まった半固形状の汚れになってしまいます。また、塗布するチェーンオイルの量が多すぎる方も良く見られます。チェーンオイルは、チェーンの駆動部(リンクと呼びます)の潤滑性を保つ機能がメインで、磨耗や防錆といった効果は表面に薄くコーティングされたオイルがあればそれでいいのです。チェーンのプレートを触って、ヌトーっと油が付着しているようなら拭き取ってください

こうした適切なチェーンオイルの使い方一つで、自転車の汚れ方、性能低下を招くようなことは劇的に少なくなります!実際の使い方が分からない!と言う方は、店頭でお教えしております(時間が有れば、改めて動画を作成したいと思っておりますが…) 

ご自身の愛車にチェーンオイルを注す際は、このポイントに注意してみてください!

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